こんにちは!
陽徳不動産の田邊です。
賃貸不動産を購入する場合にレバレッジが利きキャッフローが良く回るからという事だけで購入を
検討されることが良くあります。しかしこの場合、出口戦略が考えられていて長期保有をしない
という前提であればLTVを高めに取る戦略も良いかもしれません。
しかし出口戦略を考えずにフルローンに近い資金計画で購入するとデッドクロスに耐え切れずに
資金がショートする危険が高まります。デットクロスとは減価償却費より返済元本部分が多くなる
場合を指します。これは税務上建物費用は毎年費用計上し収入から控除されていきますが、返済部分
に関しては金利は経費として控除できますが元本部分は経費として差し引かれません。
銀行返済に関しては、一般的には元利均等返済方式という事で返済当初は金利部分が多いですが後半は
金利部分よりも元本部分が多くなります。つまり経費として当初は金利部分が多いので経費として取れる
部分も多いですが、後半は経費として取れる部分が少なくなります。
一方で減価償却部分は建物構造により法定耐用年数が定められていますから、その期間で一定額が経費として
控除されます。例えば鉄筋コンクリート造の建物であれば法定耐用年数は47年なので47年間で償却していく
事になります。減価償却の基になる金額には当然、金利は含んでいないので返済途中で金利部分が減ってくれば
元本部分が減価償却費用より多くなる時が必ず来ます。そして今は低金利なのでわりと早い時期に到来します。
その時には経費が少なくなるわけですから税額も多くなります。賃貸不動産は一般的には満室稼働していても
年間収入は一定です。そうすると満室稼働でも税額が多くなればキャッシュフローは悪くなります。
長期で保有するのであれば元本部分と減価償却部分が同等になるような金額の借入を検討することで賃貸不動産を
資産として捉えることが出来ますが、逆転現象が起きてキャッシュフローが悪くなるようであれば負債でしか
ありません。
しかし出口戦略をとることでデットクロスがくる前に売却、或いは組み換えが出来れば資産として持つ意味も
出てきます。
資産を持つことで貯えを増やしていけるといいですね。