前回は、長期修繕計画についてお伝えしました。
今回は修繕計画を実行するための修繕積立金の積み立て方法について
考えてみたいと思います。
積立てていく方法として、もちろん毎月決めた額を積立てていくのですが
方法としては普通預金に積立てていくのもいいですが、この積立費用は経費
としてはもちろん経理上、損金にはできませんので何らかの方法で経費として
差し引くことができるように検討する。あるいは積立金を何らかに投資をして
福利効果を活用して増やしてくことなどを検討することも必要かと思います。
では、どのような方法で積み立てると経理上、経費としてあるいは投資として
積立てることが考えられるでしょうか?
【積み立て方法①経費として】
・賃貸住宅修繕共済制度(全額損金計上)
・小規模企業共済制度(個人・法人)
・変額保険等の生命保険(法人・個人)など
【積み立て方法②投資として】
・NISA口座を活用して投資商品の保有(個人)
・J-REIT投資
・国内外株式投資など
積立投資などで修繕金を積立てることで福利効果も期待ができるので早く目標金額に
達する場合もあります。もちろん、逆に損失をする場合もありますが長期で運用する
ことで損失はある程度抑えることも可能になります。
【建物修繕をしないことのリスク】
建物改修を実施しないことで例えば雨漏れが起こった際に起こるリスクとして考えられる
ことは①緊急工事となるので補修業者の選定時間が無くなる。
②入居者に対し迷惑が掛かる。
③計画のない費用になりキャッシュフローを圧迫する。
④2次的な被害が起こる可能性がある。例えば継続的に水漏れが発生していて気づかない
うちに内部劣化が進行し改修費用が膨大になる。などの可能性が考えられます。
室内のリノベーションとは違い外壁などの補修や改修を行ったとしても賃料上昇はあまり
期待ができません。しかし改修をしないことで外観など悪印象を与え入居付けに苦労をします。
その結果、空室が目立ち不動産収益価値を下げる要因なります。
結果として不動産価値(価格)を下げることにつながります。賃貸物件は入居者が入っていてこそ
価値が出ます。
【長期修繕計画のすすめ】
そうならないためには、長期修繕計画を作成することをお勧めしています。
分譲マンションの場合は一般的には管理組合(所有者)が主体となり管理会社が作成をしております。
しかし、賃貸マンションオーナーの場合は、まだまだ作成されていないのが現状です。
分譲マンションの場合は70%以上が作成していますが賃貸マンションの場合は20%程度しか作成をされていないのが実情です。
賃貸経営を次世代に承継していくためにも修繕計画を立案し実行することをお勧めします。