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こんにちは!

陽徳不動産の田邊です。

一般的に土地については所有権という形態で所有しているケースが多いと思いますが

今日は借地権の売買について書いてみたいと思います。

借地権とは建物所有を目的として地代を支払って土地を借受ける権利のことです。

建物所有を目的としているので駐車場などにはできません。

借地権は法律的には賃借権という権利で土地そのものを所有する権利(物権)ではなく

賃料を払う代わりに土地を借受ける権利(債権)です。

借地権には一般的に借地借家法が1992年8月1日に制定される前後で変わります。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=403AC0000000090

(出典:e-Govポータル)

1992年8月1日以前の借地権は旧法借地権、1992年8月1日以後は5つの形態に分かれます。

1.普通借地権

2.定期借地権

3.事業用定期借地権

4.建物譲渡特約付借地権

5.一時使用目的の借地権

現状では一戸建ての借地権の場合は、一般的に旧法借地権(1992年8月以前)が多いです。

旧法借地権で借地権の特徴を見ていきましょう。

契約期間について

所有する建物によって契約期間が変わってきます。

1.非堅固建物(木造)の場合は最初の存続期間は20年以上、更新後の期間は20年

2.鉄骨造、鉄筋コンクリート造の場合は存続期間30年以上、更新後の期間は30年

契約期間中に借地人側が借地権を売却することも可能です。

その場合、新たな買主が契約期間の残存期間を承継する場合と新たに20年間の契約を

締結する場合があります。(木造建物で借地契約の場合)

多くは新たな20年間の契約になることが多いです。

次に地代について(東京都内)

1坪@700円~1000円程度が一般的に多いです。

明確な基準は無いですが、概ね土地所有者(地主)が支払う固定資産税の3~5倍程度に

なります。

借地権の場合は、建物所有者は建物の固定資産税は支払いますが土地についての固定資産税の

支払は無い代わりに土地使用料の地代を地主に支払います。

借地権は土地を土地所有者から仮受けている権利ですが、地代を支払い続けることで半永久的に

使用ができるとても強い権利です。

しかし、一方で建物所有者側から見ると土地を貸すことによって得られる毎月の収入は地代だけに

なるので収益性という点で見ると決していいとは言えません。

その代わりに各種承諾料などの支払が借主から地主へ課せられます。

契約期間満了後の更新

更新の際に更新料が掛かる場合とかからない場合があります。

契約書に特約などで更新料の支払を明記しているケースもあります。

法的には更新料を払わないといけないという規定はありません。払わなくても良いのですが従前は

更新料を払っていたというケースの場合は更新料は払った方が土地所有者との関係は良好に保てる

と思います。

更新料は一般的に借地権価格の5%~10%が相場のようです。

建物建替え承諾(料)

契約期間中に建物を建て替える場合、土地所有者に無断で建替えなどは一般的に賃貸借契約書で

地主に無断で行う事は禁止をされています。貸主の承諾が必要と契約書に明記されています。

建替えの場合の承諾料は概ね更地価格の2%~5%です。

借地権譲渡承諾料

借地権を第三者に売却する場合には土地所有者の承諾が必要になります。この場合の承諾料は

一般的には借地権価格の10%が多いようです。

無断譲渡はの場合は契約解除になってしまいます。

ホームズ】賃貸借契約は、実印じゃないとだめ? 必要な印鑑とその役割とは | 住まいのお役立ち情報

借地権の売却は所有権の売却と少し権利関係が複雑になっているケースも多くあります。

借地権でご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。